21 มิถุนายน 2012
小説&コミック同時発売記念イベント「機動戦士ガンダム U.C.HARD GRAPH プラスワン」レポート後編
U.C.HARD GRAPHの開発に携わったゲストが登壇した第2部と第3部をレポート!
第2部では、第1部から引き続いて吉祥寺怪人さんが司会を務め、U.C.HARD GRAPHの開発に携わったゲストが登壇。まずは、バンダイホビー事業部のU.C.HARD GRAPH開発担当者の江上嘉隆さん、デザインワークスとして参加した山根公利さん、草彅琢仁さんが舞台に上がり、開発秘話を披露した。
江上さんからは、ミリタリーどっぷり世代の当時の開発マネジャー(現ホビーセンター長)から、1/35スケールでのガンプラを検討するように言われたことをきっかけに、フィギュアをメインにする形で企画が始まったことや、第1弾はコア・ファイターから始まり、地上の兵器をリリースし、最後はランチを出してシリーズを締めようと考えたことなど、スタート時の構想が明かされた。
一方、1/35スケールというサイズから、デザインを依頼される形で誘われた山根さんは「サンライズに打ち合わせに行ったら、出渕 裕さんと今西監督から「今度、1/35スケールでガンダムのプラモデルを出すから」と言われて、「そんなバカな。この人たちは僕をかつごうとしている」と思いました。冗談だろうと思うくらい現実感がなかったですね」と当時の思いを語った。
その後話は、第1弾アイテムとなったワッパの誕生の経緯へ。シリーズの第1弾がコア・ファイターではフィギュアがメインにならず、イメージが固定されてしまうだろうという予測から、ジオン兵が立ちつつ、メカもSF風バイク的なデザインということでワッパが選ばれたとのこと。
ワッパのデザインを担当した草彅さんは「打ち合わせの現場で“こんな形にすれば、商品化できるんじゃないか?”と簡単なラフを描いたらその場でシリーズの方向性が決まりました」とデザインの誕生経緯を語ってくれた。
その後、江上さんから設計での苦労話や、開発の参考のために陸上自衛隊の富士学校に取材に行った話、さらに3Dスキャンを使ったフィギュア製作など、貴重な開発裏話が語られた。
続いて、プラモデルなら作る人が語らなければいけないということで、バンダイホビー事業部の川口克己さん、プロモデラーの山田卓司さん、月刊ホビージャパン編集制作局の村瀬直志さんが登壇。
パッケージ用作例製作を担当した山田さんは「よくある完成見本を想定して、軽いタッチで作ったら、江上さんから「そうではないんだ」と。作例レベルの汚しやグラデーションとかそういうものを頼むと言われて。すごく面食らったのを覚えています」と、塗装見本製作に関するオーダー当時を振り返る。
村瀬さんは、ホビージャパン誌上でも人気があるガンダムジオラマをさらに盛り上げるためにU.C.HARD GRAPHシリーズの作例掲載に力を入れたいが、一方で色を塗らなくても完成するガンプラが主流の現在では、U.C.HARD GRAPHの魅力がなかなか伝わらなかったという事実を語ってくれた。
その一方で、川口さんはホビージャパン誌上で行われているガンプラコンテスト『オラザク選手権』で、U.C.HARD GRAPHアイテムが昨年の大賞を取ったという事実を挙げ「このシリーズを使えば面白いと思う人が、多くはないかもしれないけど必ずいる」と、シリーズのニーズの可能性に言及した。
その後は、プラモデル好きのディープな話題が展開。吉祥寺怪人さん、山田さん、川口さんがホビージャパン誌上でモデラーデビューを飾った話、今回発表された小説とコミックスで描かれた中でジオラマとして作ってみたいシーン、今後発売してもらいたアイテムなどの話で盛り上がった。
最後は登壇者からの今回のトークショーを経てのメッセージで第2部が締めくくられた。
ホビージャパン誌上でも、今後の機会があればU.C.HARD GRAPHの記事をどんどんやって行きたいので、応援よろしくお願いいたします。(村瀬直志)
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このイベントに模型がきっかけで来たという人が多くて心強いです。自分はきっと死ぬまでニッパーを離さないという模型の国の住人なので、第1部で語られた「リアルとは何か?」という気分にこだわりながら、これからも形にして提案できればと思っています。(川口克己)
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さらなるシリーズの発展、例えばスケールの違う展開でU.C.HARD GRAPHの世界が広がって行くことを期待しつつ、作例製作を続けていきたいです。(山田卓司)
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U.C.HARD GRAPHでは、これからもリアルでマイナーな魅力のあるアイテムが出ることを待ってますのでよろしくお願いいたします。(山根公利)
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とっても楽しい仕事ですので、これからも新しいアイテムに参加させてもらえればと思います。こういう場に諸先輩方といられるのはとっても幸せなので、どんどん続けてもらいたいですね。(草彅琢仁)
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このシリーズは発信が立体からということで、今回は小説とマンガによって肉付けというか、背景がついたことがありがたいです。今後は1/35にこだわらない形で広げてもらえればと思っております。(江上嘉隆)
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そして、トークショー全体の締めくくりとなる第3部では、再び吉祥寺怪人さん、高橋昌也さん、夏元雅人さんの著者3人に加え、総監修を行った今西隆志監督が登場。
まずは、今西監督に今回の小説とコミックスへの感想が求められた。
「今日は初めて聞く話が多くて楽しめました。U.C.HARD GRAPHでは、プロジェクトとして動き始めた時に、制作面での演出とその他の交通整理をする役が必要でその役を務めて来ました。そのため、自分で強く何かを要望した覚えはほとんどないですね。みなさんが世界観をよく判ってらっしゃるので、その世界観の中でいろいろ遊んで、主張してもらって、場合によっては新しいものを作ってもらうと。高橋さんの作品では、アメリカンな部分に関してここまで描けるんだと感心しましたし、夏元さんは何度もサンライズに足を運んでもらってとても熱心な方だと思いました。吉祥寺怪人さんは作品に関係なく何度かお会いしていたのが、いつの間にか小説を書いてもらうことになって。いろいろと感慨深いです」(今西隆志)
小説とコミックス第1巻の発売を経て感じた、ガンダム世界の広がりについて。さらにガンプラの在り方や模型の在り方などについて、著者3人によるガンダム作品製作についての苦労話を経て、トークショーもついに終幕の時間を迎えた。
今、コミックはまだ連載中なので、みなさんの応援を切にお願いしたいです。この作品の企画を描くにあたって編集部からは「モビルスーツがメインじゃないと厳しい」と言われながらもスタートして、今は描きたいという思いだけで続けていますので、応援よろしくお願いいたします。(夏元雅人)
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当初は『MS IGLOO』の小説という話で進んでいて、映像に合わせた3DCGのガンダムと整合性をとらなくちゃいけないというところで出発して、途中から U.C.HARD GRAPHの小説ということになったのでとまどいながらも、なんとか描き上げることができました。安いとは言い難い金額の本ですが、もしよろしければ読んでもらえればと思っております。(高橋昌也)
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まさか、小説を書き上げてロフトプラスワンで司会進行のようなことをやるとは、夢にも思っていませんでした。書くにあたって、出渕さんから「書くのに悩むかもしれないけど、書き通すことだ」と言われて、それを励みにやり終えたら、もう少しやってみたい気になりました。もし許されるならば、U.C.HARD GRAPHの世界でまた何か描かせてもらえればと思っています。(吉祥寺怪人)
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今年出るのと去年出るのでは意味が違うかもしれないですが、結果的に今年に出た。これが何か意味をおびてくると思います。内容に関してはほとんど口を出していませんし、そういう意味ではとても勉強させてもらいました。だからと言ってこれで終わりではなく、U.C.HARD GRAPHは忘れた頃に湧いてくる。ジワジワと来るので、僕も今後も楽しませてもらえればと思います。(今西隆志)
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