アジア最大級の国際映画祭となる「第28回 東京国際映画祭」にて実施される特集上映「ガンダムとその世界」の『機動戦士ガンダムUC episode 7「虹の彼方に」』MX4D™上映は、10月29日(木)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された。
イベントではトークショーも実施され、古橋一浩監督とストーリー担当の福井晴敏氏に加え、MCとしてサンライズの小形尚弘プロデューサーが登壇。
episode 7「虹の彼方に」が終了してから約1年半ぶりのイベントということで、久しぶりに集まることとなった3人。
今回、東京国際映画祭では外国からの来場者も多いため同時通訳が入っていたが、海外の映画祭にゲストとして登壇したことがある福井氏は「思い出深いのはイタリアで、まるで話が通じなくて難儀した。ステージに呼ぶのを忘れられて、自分から入っていったけど安い仕込みみたいになってしまった」と語りながら、この話もどこまで翻訳されるのか興味深げであった。
小形プロデューサーの口からは、ガンダムシリーズの生みの親である富野由悠季監督が『UC』を観た、という話も。
以前episode 1を観た際は「ガンダムが出てくるのが遅い」と言っていたそうだが、「別の作品を制作していた時に『お前らがやった長編の作品を見せろ』と言われて、 episode 7を見せた。その次の日にスタジオにやってきて『僕が知ってることが3つぐらいあるね』と言ってそのまま去って行ったけど、多分ミネバのこととかだと思 う。『よくできてはいる』とは言ってましたけど」と、裏話を語った。
【左】古橋一浩監督 【右】福井晴敏氏
また今回は、東京国際映画祭史上・ガンダム史上ともに初となるMX4D™で上映。トークショーは上映前の実施となったため、まだ4Dを体験したことがない福井氏は「アーケードゲームの『戦場の絆』みたいに、全部スクリーンがあってぐるぐる回るのかと思っていたけど、ただの椅子でちょっとがっかりした」とこぼしていた。だが、前日の夜にテストで一足先に体験したという小形プロデューサーが「それなりに動くので、ちょっとびっくりする」とコメントすると、福井氏も興味を持った様子。また、「他の作品であればキャラクターの動きに振動がつくのですが、『UC』ではMSの動きに振動が付いているので、MSがやられると自分がやられた気分になる」というほか、「古橋さんの激しいカメラワークを全て拾っているので、肝に銘じて観て欲しい」とも語った。
また、劇場では3Dや4Dなど映画の楽しみ方も変わってきているが、福井氏は「制作的な視点で考えると、4Dで上映するなら演出の仕方は全く変わってくるので、頭を切り替えないといけない」と、難しい面があることも述べた。
『機動戦士ガンダムUC episode 7「虹の彼方に」』のMX4D™についてはデータが作られているので、「また観たいという声があれば、機会はできてくるかなと思います」と小形プロデューサーは続けた。
最後に出演者からコメントがあり、トークショーは大盛況のうちに幕を閉じた。
古橋一浩
「『UC』関係では今年の夏に香港に行かせてもらって、それが最後かと思っていました。展開が終わってからもイベントがあったりと、息の長い作品に携わることができて皆さんに感謝するばかりでございます。本当にありがとうございました」
福井晴敏
「この10年間、一過性の消費物しかつくれないという環境に辟易している者たちが集まって、後世まで残るものを何とかつくれないかということにチャレンジした作品です。またこのような機会を与えてもらえると、本当にやってよかったなと思います」
(ガンダムインフォ編集部)
第28回 東京国際映画祭
[開催期間] 2015年10月22日(木)~ 10月31日(土)
[会場] 六本木ヒルズ / 新宿バルト9 / 新宿ピカデリー / TOHOシネマズ新宿 ほか
[チケット] ticket boardにて発売中
[開催期間] 2015年10月22日(木)~ 10月31日(土)
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