シリーズ最新作『機動戦士ガンダムUC episode 6「宇宙と地球と」』を世界最速で楽しめる「機動戦士ガンダムUC FILM&NIGHT MUSEUM episode 6世界最速上映会」が、2月25日(月)から2月28日(木)にかけて、東京・上野の国立科学博物館にて実施された。
荘厳な雰囲気の中で行われたイベントでは、宇宙世紀の歴史を垣間見ることのできる様々な展示に加え、目玉となるepisode 6「宇宙と地球と」の上映、さらに上映後はストーリー担当の福井晴敏氏とスペシャルゲストによる対談が行われ大いに盛り上がった。
それでは見どころ満載のイベントの模様を、さっそくレポートしていこう。
▲まずは今回のイベントのために作成されたパンフレットやクリアファイルが、来場者特典としてプレゼントされた。
▲石造りの重厚な玄関を抜けると、劇中でも印象的な「貴婦人と一角獣」が来場者をお出迎え。まずは、ロビーに設置されたスクリーンにて“シャアの再来”フル・フロンタルより歓迎の挨拶と、episode 1からepisode 5までのダイジェスト映像の上映が行われた。
会場内の展示は、1階は「ビスト一族の肖像」、2階は「『UC』の世界」、3階は「連邦とジオン」とそれぞれの階ごとに異なるテーマで行われていた。
<1階 ビスト一族の肖像>
▲1階ロビーでは、ビスト一族の肖像画とインダストリアル7が展示され、その迫力で来場者を『ガンダムUC』の世界へと一気に惹き込む。
<2階 『UC』の世界>
▲2階に上がってまず飛び込んでくるのは、「1/1000 首相官邸ラプラス」。その精密さは圧巻の一言。
▲その他、宇宙世紀の設定がわかりやすいイラストや解説とともに展示される。
▲ずらりと並ぶモニターには、劇中で使用されたモニターデザインが上映。特にユニコーンガンダムの生体認証のモニターは、ついつい手をかざしたくなる出来栄え!
▲さらにジャブローにてアッガイに破壊されたドームや、コア・ファイターの模型展示も。そしてepisode 1~6までのポスターに加え、episode 7の制作決定を発表した際の2枚のイラストも展示された。
<3階 連邦とジオン>
▲3階にたどり着くと、「ミネバ」と「バナージ」の肖像画が目に飛び込んでくる。博物館というシチュエーションも相まって、抜群の存在感を放っていた。
▲フロア内には、ジオンに関連する資料が展示され、キャラクター・MSの両方を楽しむことができる。
▲さらに地球連邦軍に関する資料がずらり。劇中でも登場した「アムロ・レイ」の写真など、ファンをニヤリとさせる仕掛けも!
▲フル・フロンタルの仮面の立体展示は、来場者に強烈なインパクトを与えていた。
▲さらに、『ガンダムUC』の世界を彩る美麗な美術設定も展示されていた。
▲本編を彩る楽曲、「UNICORN」の手書き楽譜も展示。
数多くの展示物を堪能していると、「最新の“記録映像”の上映を行う」というフル・フロンタルの館内放送が響き、アカデミックな雰囲気が漂う館内の講堂にて、待望の『機動戦士ガンダムUC episode 6「宇宙と地球と」』の上映がついに行われた。
興奮冷めやらぬ上映の後は、『ガンダムUC』のストーリーを担当する福井晴敏氏と、日替わりのスペシャルゲストを迎えての対談が行われた。初日となる2月25日は、日本大学理工学部社会交通工学科助教 石坂哲弘氏と、ガンダムインフォにて連載された 「機動戦士ガンダム、地球連邦軍ジャブローを創ろう」でおなじみ、前田建設ファンタジー営業部の岩坂照之氏が登壇し、「ミノフスキー粒子下の測量、GISとモビルスーツについて」をテーマに、現代の最新技術と宇宙世紀の技術について語られた。
▲GSIの専門家である石坂氏(左)と、書籍の宣伝にも余念がない岩坂氏(右)。
まずは「GIS」とは何か、という説明として「ネットでお店を検索したり、交通情報を調べる場面で皆さんが既に使っている、地図をベースにしたデジタル情報。都市開発や防災などの様々な情報を地図上に重ね合わせ、空間的な分析をする技術」と解説。
そして、宇宙世紀が現代から続く未来であると仮定した場合、『ガンダムUC』の世界に「GSI」を使用している痕跡があるのではないか、という切り口からトークは進む。
続いて、岩坂氏は「“デュアルアイ”と“モノアイ”について、GSIに基づいて考えると、その違いの理由が分かる」と語る。その違いとして、モノアイは全方位にレーザーを照射してその反射から状況を把握する「レーザー観測」を、デュアルアイは、人の目と同じように、2つのカメラで立体的に観測する「ステレオカメラ観測」を行っているのではないかと推測した。
さらにそれを裏付ける理由として、「レーザー観測」は水分、雨に弱いという欠点があり、かつ後ろが暗かったりすると非常に良いという特性から、宇宙で運用する場合には「モノアイ」を使用することが理にかなっていると解説。
逆に地球連邦軍は、日中の地上での使用を想定すると、自ずとステレオカメラを使用するだろうと語ると、福井氏は「説得力がありますね、長年の謎ですからね」と感嘆しきりであった。
▲専門家ならではの切り口から語られる「ガンダム」の世界に、福井氏も興味津々。
さらに「ファンネル」について、あれは測量機器だという大胆な仮説も飛び出し、「もしもあれが測量機器であれば、先に射出することで戦場の状況を瞬時に把握でき、戦場が大きく変わる」と石坂氏は力説。
現代の測量では、大量の測量機器を設置しなければ正確な観測ができないということもあり、ぜひ「ファンネル」は測量機器であってほしいという、専門家ならではの願望を含めた意見を語った。
それを受けて、『機動戦士ガンダム』のララァがビットを飛ばして、戦艦の数などを把握し、その情報を後の戦闘に活用していたのではないかという推測が出ると、「そういうことも大いにありえる」と石坂氏。
さらに、「ファンネルは観測機器である」という仮定を裏付ける証拠として、episode 1に登場するクシャトリアのコックピットに、GISの用語のひとつである「TRACKING」という単語を使用した「TARGET TRACKING」という用語が描かれていることを指摘。これには、福井氏も驚き、『ガンダムUC』でディスプレイデザインを務める佐山善則氏が、そういう部分も考えて作ってくれたのだろうと、感謝の意を表した。
次々と展開される専門家からの話に、福井氏は「なんで『ガンダムUC』を書く前に会わなかったんだろう」と何度もこぼし、終始興味深く耳を傾けていた。
そして岩坂氏が、「きっとジャブロー攻略戦の際、アッガイが天井を腕を伸ばしてつたって行ったのは、きっと土質を確認するためだ」と冗談まじりに語ると、福井氏は「ずっとあれはスラスターを焚いて逃げたほうが早いと思っていたんですよ」と納得し、会場が笑いに包まれる一幕も。
さらに岩坂氏は、建築会社として一番気になるMSに、episode 4に登場した「ジュアッグ」を挙げ、「あの鼻のようなパーツは、きっとトンネル工事でコンクリートを吹き付けるためにあるんだ」と再び笑いを誘い、イベントは幕を閉じた。
『機動戦士ガンダムUC episode 6「宇宙と地球と」』映像展開は、明日3月2日(土)よりスタート!待望のシリーズ最新作を、ぜひとも劇場の大スクリーンで楽しもう!
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